四万温泉の夜は真っ暗。
静かで暗く大きな四万温泉の夜が大好きだったけれど…やはり今は違う夜。
柏屋旅館の灯りもない。
ぼんやり灯った橙色の灯りが消えて、まっ暗…。
真っ暗な廊下を通って大浴場へ向かう、いつもはお客様がいらっしゃるので、私は滅多に入らない。
透明で無臭でまるで真水のようなのに、これ程温まる温泉はめったにない。
上品で美しく優しい温泉、さすがに【よのちり洗う四万温泉】だ。
山百合のステンドグラスが寂しく光る。
ロビーに飾ってある夫と私の写真を眺めた。お客様が撮って下さった写真。リニューアルした20年ほど前の写真。
いろいろな困難があり、それでも、全部乗り越えて来た。
なにも今回が初めてではない。またどうにか乗り越えるしかあるまい。
柏屋には大切な仲間がたくさんいるのだから(*^-^*)