昔、山道で可愛らしいお花をみつけると、お客様に見て頂きたくて客室やパブリックスペースに挿した。
客室を清掃して、裏山からお花をとってきて挿した。
いざ、お客様をお部屋にお通しすると枯れてしまっている事が多く難儀した。
それでも懲りずに諦めが悪い私は、繰り返した。
可哀そうな事をしたと思う。残酷な事をした。
山や野原の花はそこでしか綺麗に咲けない。
誰にも見られなくてもそこで咲き続けているのに…。
誰だって適した環境がある。自由を奪ってしまってはいけないのだ。
自分の考え方や希望を押し付けてはいけない。
生き方や考え方はひとりひとり違うからだ。
山道に咲く花を見るたびに自分を戒める。
そして、他人に強要されたり動かされたりすることもないのだと思う。
自由に生きてよいのだ。
但し、ルールを守るのは社会の中に生きる人間の義務だが。
by 薫子