私が子供の頃、父の食事と他の家族の食事は全く違うものでした。
稼ぎ頭である父は、大酒飲みでしたから一升呑むこともザラでしたし、毎日、お刺身やクサヤなどの高級なつまみを食し、私たちは【すいとん】が多かったと思います。
その後、自分で稼げるようになってから、やっと好きな物を食べられるようになりました。
私が食に興味があったのは、きっとそういった事が影響していたと思います。
ですから、【すいとん】や【おきりこみ】などの粉ものはあまり好きではありませんでした。
そんな私の最近の幸せ時間は、【すいとん】や【おきりこみ】を作り、食べているときです。
煮干しで出しをとり味付けした汁に、その時々にある野菜や油揚げをいれて、小麦粉と水で捏ねた生地をちぎって丸めのばして放り込み煮込むだけ。
歳を重ねるにつれ、油ものを受け付けなくなり、奇をてらった料理や複雑な味付けの物、刺激物やアルコールなども避けるようになった私には、美味しいと思えるものが数少なくなりました。
あれだけ、食べ歩き、研究心旺盛だったのに今や外食は辛いです…量も食べられず残してしまいます。
もったいないオバサンにとっては苦痛です。
すいとんを食べているときは、子供の頃に立ち帰り食べられる幸せを感じます。
本来、食べられるという事は、とっても幸せな事なのではないでしょうか?
食べ物をもっと大切に、適量を食べるようにしなければならないのではないでしょうか?
捨てるほどの飽食をしながら、食料危機などと騒いだりするのはどういうことなのか?
いつも考えてしまいます。