誰かの喜ぶ顔が好きだ。
当然、私が料理するとき、花を生けるとき、お掃除するとき、やはり誰かの為に、その人が喜んでくれる事を願って仕事をするのだ。
自分を誇示する為ではないし、自分の為にするのではない。
この店を創った時も、四万温泉に来てくださるお客様に喜んで頂きたい、そして地元の方々が一息つけるような場所があれば良いと考えたから、それだけを考えて、一生懸命に私ができる限りの事をしてきたのだ。
たくさんの失敗に、傷つき倒れてもお客様に喜んで頂きたい気持ちは変わらなかった。今でもただただ喜んで頂きたいだけ。そのためには、憎まれ役になっても構わない。仕方がない事だ。
思えば、たくさんの方々に助けられた。たくさんの方々に優しくしてもらった。それを、今度は誰かにしてさしあげたい。子供にもそう教えて来た。
同時に。自分がされて傷ついたこと、嫌な事は絶対しないと自分に言い聞かせ、子供にも教えた。
今でもそれは変わらない。