「待ってろ!今あったけーの焼いてやるからな!」
同級生夫婦が営む高崎の「すし小野瀬」で玉子焼きを頼んだら大将が温かいのを私の為に焼いてくれると言う。
「ショーケースの上に寿司ように焼いてあるのでいいよぉ」と言ったら「るこには優しさが足りてねえようだからな!優しくしてやらなけりゃいけねえんだ」なんて言う。
そして、強面なのに一生懸命笑わせてくれる。
女将との会話で「高尾山に行ったことがないんだよ。」と言ったら「私も!今度行こうよ!」と言ってくれた。
あまり、自分から誘ってこない性格なのに…。
私が柏屋旅館に入った時も、皆若くて、なけなしのお金を使って宿泊しに来てくれた仲間達だ。
旧友達に会うとくだらない話で笑い合う。最近の話題は専ら更年期障害。
皆、様々な悩みや苦労を抱えながら一生懸命生きている。
TVやSNSでは批判や噂話ばかりが目立って悲しくなる。
人々の目に入り易い物はもっと優しさや思い遣りに溢れた話題にしてほしいと切に願う。
様々な事に傷つき、鈍感力が必要なんだなんて言われても…やっぱり、人の優しさや思い遣りに気づき感謝できる人間でありたいと改めて思った。
そして、「私の友人達は皆、気の良い真っ直ぐな人間なんだな。生き方は下手でも、正直で優しいほうが良いのだ。」と確信した。
「私は、これでいいのだ!」
大将の玉子焼きは甘くて温かい母親の味がした(嬉し涙)
by 薫子