こんな世界情勢であれば、社会経済において何が正解かは計り知れない。
しかし、危機管理能力が、より必要になってくる。
全ての事柄に一喜一憂せず、最悪の事を考えて準備しておく。
それでも駄目なら仕方が無い。
四万温泉で商いをするようになってから常にそれを感じていた。
もともと、柏屋旅館は老人会の団体旅行で成り立っていた。
しかし、そんな方々も少なくなり[空き宿クラブ]というサイトからお客様を集客するようになり、激安価格でお客様に宿泊して頂き、最少人数の従業員でどうにか経営して、少しずつ修繕を重ねて来たのだ。
安普請などと批判されたが、投資額もきちんと考えないと経営が成り立たない。
それは、豪華な設備の中で仕事をしたかったし、私だって制服位着たかった。
今、思い返しても息が苦しくなる。
でも、ここまで支えてくださったのは、安普請といわれても、徐々に改修してきた柏屋旅館に宿泊してくださったお客様方なのだ。
今は、また四万温泉に来てくださるお客様の為に準備しておくしかない。
柏屋旅館はまた少しずつ、修繕、改修していくしかない。
お客様の笑顔の為に、身の丈にあった地味な努力を続けるしかないのだと思う。